〈生き方〉幸せになる眼鏡の正体

◎いいため話…より転載


http://goodstory.biz/happy/glasses-to-be-happy/



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●幸せになる眼鏡の正体



ある日、島の反対側に住んでいるという青年が、哲学先生を訪ねてやってきた。




その青年は、この世は悲しみと不正に満ちていると考えていた。


為政者といえば汚職だらけだし、友人には裏切られっぱなし。


幸せはつかんだかと思うとすぐ消えさり、悲しみばかりが重くのしかかる…。


こんな世界に生きていていったい何の意味があるのだろう?


そう悩んでいたのだ。


青年からひとしきり話を聞いた哲学先生は、何やらポケットから取りだしてこう言った。


「これがあればだいじょうぶですよ!


さあ、この眼鏡をかけてごらんなさい。


そうすれば(あなたが望みさえすればすべてが変わる)ということがわかるはずです」


青年はなんだか狐につままれたような思いで家に帰った。


それでも、翌日さっそくその眼鏡をかけてみた。


すると、あきれたことに、それはただのガラスをはめた眼鏡にすぎなかったのだ。


青年は腹をたて、哲学先生のところにどなりこんだ。


「ただのガラスじゃないですか!」


「そうですよ」と先生は答えた。


「いいですか、この世がどう見えるかは、ここにはまっているガラスの問題ではなく、あなたしだいなのです。


あなたが変わらなければこの世も変わりません。


たとえば、ワインの入ったグラスひとつとってみても、まだ半分ワインがあると思うか、もう半分しかないと思うか、それはあなたが決めることでしょう。


雨だといってなげくのか、それとも、これで植物が育つぞと喜ぶのか。


日の光を浴びてうれしいと思うか。


それともまぶしいからといやがるのか…。


結局この世界は、あなたが見るようにしか見えないのです。


その眼鏡をどんな眼鏡にするかはあなたしだい!


灰色の陰鬱(いんうつ)な眼鏡をかけていたいのなら、どうぞご自由に。


でも、それをなげきにここへ来るのは、もうご遠慮願いたいものですな」


『人生を変える3分間の物語』PHP研究所