〈生き方〉フランクリンの13の徳目
◎人の心に灯をともす…より転載
https://ameblo.jp/hiroo117/
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◎フランクリンの13の徳目
田中真澄氏の心に響く言葉より…
★フランクリンの「13の徳目」とは…
1.《節制》 頭や体が鈍くなるほど食べないこと。はめをはずすほどお酒を飲まないこと。
2.《沈黙》 他人あるいは自分に利益にならないことは話さないこと。よけいな無駄話はしないこと。
3.《規律》 自分の持ち物はすべて置き場所を決めておくこと。仕事は、それぞれ時間を決めて行うこと。
4.《決断》 なすべきことをやろうと決心すること。決心したことは、必ずやり遂げること。
5.《節約》 他人や自分に役立つことにのみお金を使うこと。すなわち無駄遣いはしないこと。
6.《勤勉》 時間を無駄にしないこと。いつも有益なことに時間を使うこと。無益な行動をすべてやめること。
7.《誠実》 だまして人に害を与えないこと。清く正しく思考すること。口にする言葉も、また同じ。
8.《正義》 不正なことを行い、あるいは、自分の義務であることをやらないで、他人に損害を与えないこと。
9.《中庸》 何事も極端でないこと。たとえ相手に不正を受け激怒するに値すると思っても、がまんしたほうがよいときはがまんすること。
10.《清潔》 身体、衣服、住居を不潔にしないこと。
11.《冷静》 つまらないこと、ありがちな事故、避けられない事故などに心を取り乱さないこと。
12.《純潔》 性的営みは、健康のためか、子供を作るためにのみすること。性におぼれ、なまけものになったり、自分や他人の平和な生活を乱したり、信用をなくしたりしないこと。
13.《謙譲》 イエスおよびソクラテスを見習うこと。
以上(若き商人への手紙)より
謙譲とは、謙(へりくだ)り譲(ゆず)ることであり、自分を低めることで相手を高めるという「下座行」のこと。
この謙譲の精神は、年を重ねるほど、また、地位や役職が上になればなるほど、行うことが難しい徳目だ。
「下座行」について、森信三先生はこう語っている。
『自分を人よりも一段と低い位置に身を置くことです。
言い換えれば、その人の真の値打ちよりも、二、三段下がった位置に身を置いて、しかもそれが「行」と言われる以上、いわゆる落伍者というのではなくて、その地位に安んじて、わが身の修養に励むことを言うのです。
そしてそれによって、自分の傲慢心が打ち砕かれるわけです。
すなわち、身はその人の実力以下の地位にありながら、これに対して不平不満の色を人に示さず、真面目にその仕事に精励する態度を言うわけです。
そこで、たとえば世間にしばしばあるように、自分よりつまらない人間の下につかえて、なんら不安の色を見せないということなども、一種の下座行と言ってよいわけです。』
謙譲の心を持ち、傲慢心を打ち砕く…
13の徳目の実践につとめたい。
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ベンジャミン・フランクリン (1706~1790)は、アメリカ独立宣言の起草者、すなわちアメリカ合衆国建国の5人の父の1人として歴史の教科書で紹介され、また現在の米100ドル紙幣の肖像画に描かれているアメリカ歴史上で最も成功した人物と言われています。
わが国の自己啓発本の代表的な本は福沢諭吉の『学問のすすめ』ですが、『学問のすすめ』 の最初の書き出し「天の上に・・・」は独立宣言の言葉から引用しているように、福沢諭吉はフランクリンの影響を受けています。
このようにフランクリンの著書はわが国でも自己啓発本のトップバッターなのです。
ところで彼は、イギリスからアメリカのボストンに移住してきたロウソク職人の家庭で15番目の子として生まれました。
家が貧しいために10歳で学校教育を終え、印刷出版業を営んでいた兄のもとで見習いとして働きますが、兄と度重なる喧嘩の末、17歳で家を出て3年間、ニューヨーク、フィラデルフィア、ロンドンにおいて身につけた印刷技術を駆使して働き、1726年、ロンドンからフィラデルフィアに戻り、印刷工として働き、1728年に印刷業で独立します。
翌1729年、22歳で『ペンシルベニア・ガセット』紙を買収し、アメリカ初のタブロイド誌を発行。
このあたりから彼は勤勉と誠実さと周りの人々の「引」を武器に、印刷業 をベースに事業を次々と展開して行きました。
さらに1731年、25歳の時にアメリカ初の公共図書館(フィラデルフィア組合図書館) を設立。
この図書館が成功を収めたことから、アメリカの各都市に図書館が作られていくことになったのです。
またこの年に、「13の徳」を樹立し、それを身につけるための方法を自ら実践しました。
1734年に処世訓・格言集『貧しいリチャードの暦』を発刊、これが評判を呼んで 1万部も売れ、以来25年も続刊し、彼の名が広く知られるようになり、28歳で経済的に恵まれる人生をスタートできた要因となりました。
このキャリアからも推察できるように、彼は若くして人々に認められました。
それは13の徳を身につけると同時に、独学でフランス語・イタリア語・スペイン語を学ぶといった勤勉振りが、彼の人間的な魅力になったのです
霞が関の若手行政官の研修を担う人事院公務員研修所では、推薦図書のリストを作成しています。
その中に『フランクリン自伝』も含まれており、その解説の一部に次のような コメントが記されています。
この自伝には、現代の公務員にとっても大切な教訓が数多く含まれている。
彼は23歳の ときに13の徳目を選んでその実行を自らに課した。
そのうち、13番目の徳目「謙譲」はあとから追加したものである。
彼は人間の感情の中で「自負心」ほど抑え難いものはないと気づき、高慢・不遜な態度をとらないように努力した。
謙譲を旨として、ことば遣いに注意するようになってから、彼の説得力は一段と増し、商売上も公的発言の上でも非常に役立ったと述べている。
また、いきなり自己主張することなく、事前に雰囲気を作っておくことの重要性も説いている。
最近の日本人は、「努力」「勤勉」「倹約」といった自分に厳しくて自己抑制の必要な言葉を避ける傾向がありますが、それは謙譲の徳を忘れた時の自己中心の発想が生み出すわがままな気持ちの表れです。
フランクリンは自伝の「十三徳樹立」の項でこう述べています。
「79歳になる今日まで私がたえず幸福にして来られたのは、神の恵みのほかに、このささやかな工夫(13の徳の樹立のこと)をなしたためであるが、私の子孫たる者はよくこのことをわきまえてほしい」
世界で最も読まれている『フランクリン自伝』(岩波文庫)を通して、私たちは、改めて人間としてのまともな生き方を学び直したいものです。
『幸せな人生を歩むための8つの法則ー84歳の社会教育家が語るとても大切なことー』ぱるす出版
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