〈生き方〉人間としてもっとも大事なこと

◎人の心に灯をともす…より転載


https://ameblo.jp/hiroo117/



・・・・・・・・・・・・・・・


●人間としてもっとも大事なこと



藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…




大島みち子さんという女性がいた。



子供の頃は頭もよく、体も健(すこ)やか、本当に可愛(かわい)い、いい子だったという。



その大島さんに異変が生じたのは高校に入った時だった。



顔の軟骨が腐るという難病にかかったのだ。



その治療のため、高校は5年かかってようやく卒業した。




彼女は京都の同志社大学文学部に進学。



だが、病気が再発、長い病院生活となる。



その間に一人の男子学生と知り合い、手紙を取り交わす間柄になったりする。



この大島さんが書き残した文章を集めたのが『若きいのちの日記』という本。





教育学者、東井義雄氏はこの本に、いまここで何をなすべきか、人間としてもっとも大事なことを教えられたという。



大島さんは書いている。




「病院の外に健康な日を3日ください。



1週間とは欲張りません。



ただの3日でよろしいから病院の外に健康な日がいただきたい」




「1日目、私はとんで故郷(ふるさと)に帰りましょう。



そして、お爺ちゃんの肩をたたいてあげたい。



母と台所に立ちましょう。



父に熱燗を1本つけて、おいしいサラダを作って、妹たちと楽しい食卓を囲みましょう。



そのことのために1日がいただきたい」




「2日目、私はとんであなたのところへ行きたい。



あなたと遊びたいなんていいません。



お部屋を掃除してあげて、ワイシャツにアイロンをかけてあげて、おいしい料理を作ってあげたいの」




「3日目、私は一人ぼっちの思い出と遊びましょう。



そして静かに1日が過ぎたら、3日間の健康にありがとうと、笑って永遠の眠りにつくでしょう」




自らの人生を看脚下(かんきゃっか)し、見事に生きた人の姿をここに見る。



若くして逝った女性の生き方に倣(なら)い、私たちも自らの看脚下を深めていきたい。



『小さな修養論4』致知出版社






『若きいのちの日記「愛と死をみつめて」の記録』は、1963年に刊行された大島みち子さんと河野実さんの、3年間に交わされた約400通の文通の記録だ。



大島みち子さんは、22歳の誕生日の前日に亡くなったが、その後、ドラマやテレビにもなり、映画化もされ、また歌も、空前の大ヒットとなった。



この「病院の外に健康な日を3日ください」という涙する珠玉の言葉は、亡くなる4ヶ月前に書かれたもの。




看脚下とは、自分の足元を見よ、という意味で、自分の寄って立つところを見失うな、常に自戒せよという意味の禅語。



当たり前の幸せに気づけるか、感謝しているか、ということでもある。



まさに、この「病院の外に健康な日を3日ください」というこの心の叫びの言葉は、何度読んでも我々をハッとさせる。



そして、「生かされているありがたさ」に気づかされる。




明日も明後日も、この毎日がなんとなくずっと続くと思えば、ぼんやりと、日常を無駄に過ごしてしまう。



そしてつい、文句や愚痴や、泣き言や、不平不満を言ってしまう。



人は、死を意識することによって、「生」を真剣に考える。




「人間としてもっとも大事なこと 」



それが…



「今生かされていること」、その幸せに気づくこと。







■メルマガの登録と解除はこちらから http://hitonokokoro.com/


■「人の心に灯をともす」のfacebookページです♪ http://www.facebook.com/hitonokokoro



■Twitterはこちらから https://twitter.com/hiroo117



難病女性の生き方当たり前の幸せ大島みちこ東井義雄若きいのちの日記愛と死をみつめて看脚下修養論河野実