〈生き方〉キリが悪い”ところでやめる「ツァイガルニク効果」
◎人の心に灯をともす…より転載
https://ameblo.jp/hiroo117/
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★キリが悪い”ところでやめる「ツァイガルニク効果」
脳科学者、中野信子氏の心に響く言葉より…
たとえば、仕事の資料づくりに没頭し、キリのいいところまで終わったので、いったん休憩することに。
ところが、お茶を飲んだり人と話したりSNSをチェックし ているうちに、作業に戻るのがだんだんおっくうになってくる。
そろそろ作業を再開しなくちゃ。
でも今日はけっこうがんばったから、もうちょっ と休んでもいいか。
そんなせめぎ合いを何ターンか繰り返した末になんとか同じ作業を再開したときは、休憩に入ってから相当な時間が経過していた。
しかも、いざ再開したものの、どうにもやる気が乗ってこない......。
これと似たような経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
キリのいいところで作業をやめたら、せっかくの集中もそこでプッンと切れてしまう。
これを解消するには、いったいどうすればいいでしょうか。
答えは、「作業をやめるときは、あえてキリの悪いところ"でやめる」ことです。
いったいどういうことなのか、ご説明しましょう。
もう一度想像してみてください。
あなたは大切な仕事の企画書をつくっているとします。
複雑でボリュームも多いので、集中して作業をしているにもかかわらずなかなか終わりません。
そこであなたはいったん休憩することにする。
しかも、1枚目の終りや項目の終わりといったキリのいいところではなく、思い切って、“文章の途中”でやめてしまう。
すると、どうしたことでしょう。
休憩しているあいだもその文章のことが完全には頭から離れず、「次はどんなふうに展開していこうかな......」と頭の片隅で無意識に考えてしまう。
まさにパソコンのスリープの状態に近いかもしれません。
表面上は停止しているように見えつつも、バックグラウンドでは動いている状態です。
いざ作業を再開すると、頭の片隅で気になっていただけに、ごく自然にまた作業に向かえるし、中断前の集中状態にもすんなり入れるというわけです。
このように、やり切ったことよりも達成できていないことのほうが、より強い印象として残るという現象を、「ツァイガルニク効果」と呼びます。
そしてじつはこれ、集中力が高いといわれる人ほど実行していたりするんです。
『あなたの脳のしつけ方』青春文庫
あなたの脳のしつけ方
本書の中で、中野信子氏は、「スリープ状態をつくる」と言っている。
『以前、あるテレビ番組で、受験に成功した高校生や大学生を呼んで、彼らの勉強法を聞いてみたことがありました。
すると多くの人が、休憩したり寝るために勉強を離れるときは、キリの悪い中途半端なところでやめていたのです。
問題集はキリのいいところまで解かないで、あえてハンパなところでやめる。
たとえば大問を終えてからやめるのではなく、(1)~(5) ある小問のうち(3)を解い ている途中でやめてしまうという具合です。
こうすることで、ごく自然にまた勉強を始められる。
受験に成功した人の多くは、こうした工夫を日々繰り返していたのです。
また、キリの悪いところでやめることで、ほかのことをしているときでも頭が完全ではなくスリープの状態になることは先ほどご説明しましたが、意外とスリープ状態のときにいいアイデアや答えが出てきたりするものです。
たとえば仕事で行き詰まったら、そこでいったんトイレに行く。
するとトイレに入っているあいだに「これだ!」という案が思い浮かんでくるというようなことです。
というわけで、みなさんも中断するときはぜひキリの悪いところでやめてみてはいかがでしょう。
企画書は項目の途中でやめる。
メールは1通を書いている途中でやめる。
これを追究するなら、思い切って文章をやめるときは「。」ではなく「、」のところでやめてしまったり、数学の図形の問題なら補助線を引いたところでやめてしまうのもいいかもしれませんね(笑)。
いずれにせよ、この「キリの悪いところでやめる」というのは、本当に学校で教えるべきなんじゃないかと思うくらい、効果的な方法だとわたしは思います。』
「ツァイガルニク効果」とは、今から約90年前に、ドイツのゲシュタルト心理学者のクルト・レヴィン氏と、女性心理学者のブルーマ・ツァイガルニク氏によって提唱された。
「人は達成したことは忘れやすいが、中断したり未達成なものはよく覚えている」というもの。
たとえば、広告などでも「続きはウェブで…」とか、テレビの番組で「さあ、盛り上がってきました。続きはCMの後で」とか、答えや続きが知りたくなって仕方なくなるように仕向けるものだ。
「不完全なものが人をひきつける(印象に残りやすい)」ということでもある。
「そのあとが、気になってしかたがない」という状態。
まさに、これは人も同じ。
「別れたあとに、また会いたいと思うような、余韻や余情を残す人は魅力的な人間である」(行徳哲男)
余韻とは、鐘の音などが消えたあとも、なお耳に残る響きのこと。
「ツァイガルニク効果」を学びたい。
あなたの脳のしつけ方
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